スマートグリッドにおける技術と社会実装について 〜太陽光の大量導入に伴う系統連系問題への対応〜

前回のブログで、スマートグリッドについて少し触れましたが、

既にスマートグリッドの実証実験が横浜市や北九州市などで行われていており、
こうした技術を導入する事による経済的、社会的、環境的効果を検証しています。

一方で、
こうした技術をあらゆる実環境や実社会において、
どのように適応させ、普及させていくのかといった課題が依然として残されています。

そこで、インフラ・技術(ハード)と社会・人(ソフト)の双方から考察し、
エネルギー関連技術や、現行の実証プロジェクトの動きを基に、
どのように社会システムがスマートに変化すべきかを今回議論していきたいと思う。

まず、最初のトピックとして、

『太陽光発電の大量導入に伴い懸念される系統運用上の諸課題
(軽負荷期の余剰電力問題や、配電線の電圧上昇問題等)』

について議論していきます。

固定価格買取制度を機に、爆発的に太陽光発電所が増えてきておりますが、
実際に、九州電力管内では平成26年度末時点で、
接続検討中の件数は、高低圧合わせて約6万件、約970万kWに達しており、
接続可能量を超過している状況にあります。

そのため、九州電力管内で系統連系する場合は、
無制限・無補償での出力制御に応じる事が必要です。

旧ルールの下では500kW以上の太陽光発電設備が出力制御の対象となりますが、
指定ルールの下では、すべての設備が出力制御の対象となります。
そのため、接続件数が膨大な小規模太陽光発電設備をいかに制御するかが課題となっています。

九州電力株式会社の「平成26年度次世代双方向通信出力制御緊急実証事業」の文章の中でも、
系統接続課題の解決策としては下記のように述べられています。

「太陽光発電が急速に普及拡大した状況下において、確実かつきめ細やかな出力制御が可能な双方向通信(専用回線による双方向出力制御方式:66kV以上に適用)及び単方向通信(インターネットによる出力制御スケジュール方式:66kV未満に適用)を活用した遠隔出力制御システムを開発し、実用化します。多数の発電事業者の出力制御を効率的に行うために、発電事業者を代行して出力制御を行う 配信事業者システムの開発します。
なお、電力安定供給のために、外部からのサイバー攻撃(不正侵入、不正操作など)に対する 情報セキュリティを確保し、信頼性の高いシステムを開発します。
当社電力系統に接続する太陽光発電設備量が500万kW程度を超過すると、出力制御を開始する可能性があるため、実効性のある出力制御システムを早期に開発する必要があります。」

九州電力

このように、
系統接続制限による太陽光発電所の出力制御に対応した制御ユニットの取り付けが義務付けられ、
出力制御が実際に電力会社から発動されると太陽光発電の売電収益の低下に直結します。

そのため、特に無制限ルールの基で建設された太陽光発電所に関しては、
その余剰電力を吸収するべく蓄電池の活用が期待されています。

次回のブログでは、
太陽光と蓄電池の制御技術に関して話題提供しようと思います。

引き続き宜しくお願い致します。

執筆者:AMII事業部データサイエンス・ラボ所長 小林

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